4人グループでカナス湖へ

ウイグル自治区のカナス湖に来た。そろそろ2週間近く一緒に旅をしている中国人(張掖で知り合った)がここを目標に旅をしているというのがきっかけでここまで来た。

カナス湖はウイグル(というか中国の)北西の果てで、ロシア、モンゴル、カザフスタンに囲まれているところ。最近はこのウイグル自治区北部の自然景観が流行りだしているらしく、大草原、連なる山脈といった大自然で、天気もよかったためこの旅一番の気持ちいい自然を感じた。例えるならアルプスの少女ハイジの舞台という感じ。中国だけど。観光客の中国人のたくさんいた。

ちなみにこのカナス湖、ネッシーならぬカッシーが出現したということで一時期話題にもなったらしい。もちろん僕はカッシー発見ならず。

ここは本当に、日本では感じられないスケールの自然があるのでもしこのブログを見て暇を持て余している人がいたら行ってみてください。けっこうおすすめです。

 

そんな感じのところに行ったが、実はここでそれまでの中国人の友人(J君)に加えて、二人の中国人の友達が旅に同行することになった。35歳、アウトドア系ハツラツ男子のL君と、名門!北京大学出身心理カウンセラーのSさん。ちなみにJ君は22歳。Sさんは教えてくれなかった。

そもそも一人でいるのが好きな俺がなぜここまでJ君と旅をしてきたかというと、彼が教養的に人間的にも相当に良いから。電子工学系の大学を卒業し、院に行く前のギャップイヤー中とのこと。でも将来はマーケティングの仕事に就きたくて、電子工学の院が終わったらイギリスにマーケティングのマスターを取りに行くということ。そもそも電子工学系に行ったのは親の勧めで、何でもそこを出ると政府系のプラント事業に職が持てるらしく安定するとのこと。ちなみに親は政府系の人間でけっこう裕福そう。でも彼はプラント事業の会社に進んでも昇進か離職しかなく、仕事としての魅力を感じていないという。彼は中国の学校で習う歴史が政府による情報操作を受けていること、それを多くの中国人が信じ込んでいることに嫌気がさすこと、日中の政治情勢、アメリカの政治情勢など、かなり多くの教養を持っており、中国国内のことから政治についての話をするなど、話していてとても楽しかった。雰囲気も落ち着いていて譲り合うこともでき、他の中国人に失礼かもしれないが典型的な中国人とは違った感じ。

そんな彼との楽しい旅に暗雲が立ち込めてきたのが残りの二人の登場である。L君は俺的には典型的な中国人。カナス湖まで1日のハイキングをすることになったのだが、他の3人が疲れきって死にそうになっているところ、彼は普段から鍛えていることもあるのだろうが、一人はしゃぎ、急げだの、写真をとるからそこに並べだの、自分のやりたい放題。しかし悪気があるというわけではなく、自分のしていることに特になにも感じていない。何よりもここが中国人という感じ。周りの人がどう考えるか、そういったことを一切気にしていない。そしてもう一人のSさんは、以前自分がうつになったからカウンセラーになることにしたらしいのだが、それだけあってかもう完全にメンヘラ。そこそこ可愛いからか、完全にかまってちゃんで、自分を中心にものごとを動かそうとする。ずっと話していて(中国語だから内容は不明)、集団行動に差し支えを及ぼす。そしてそのメンヘラの聞き手役が心優しい忍耐力のあるJ君。しゃべるSさん、聞くJ君、自分勝手好き放題なL君。俺は完全に取り残されて、一歩離れて一行の成り行きを観察し、楽しんでいた。しかしやはりこのメンツだと、自分の取りたいような行動はとれず、会話の9割を占めるようになった中国語は一切解読不能。この中だと旅もつまらなくなりそうだなと判断し、彼らから離れてカザフスタンに行くことを決意した。

 

「旅は道連れ、世は情け」。ひとり旅に道連れはいないけど、たまに一緒に人と行動を共にすると、この「旅は道連れ」をつくづく感じる。じゃ、「世は情け」なのかなぁ。旅は自分のタイミングで止められるけど、世は止めることはなかなか出来ない。社会生活ってめんどくさいなぁ。