西安にて兵馬俑へ

現在西安兵馬俑に行ってきた。

そこまで観光に関心のない今回の旅だが、兵馬俑には行きたかった。世界史を学び、中国を統一した秦の始皇帝に対する尊敬の念があるから、という訳ではもちろんない。キングダムを読んで始皇帝が好きになった、という訳でもない。つかキングタム5巻くらいで飽きてやめたし。

 

なんで兵馬俑に行きたいかというと、高校生の頃の思い出があるから。俺の高校では高2の時に中国に修学旅行があり、北京ー西安ー上海と回ったのである。

多くの人はどうなのか分からないが、当時の大して何も考えていなかった高校生の俺は、修学旅行の思い出なんてホテルでどうやって部屋を移動するか、どうやって女子の部屋に行くか、などなど、中国でなくてもどこでもできるやん!てなことしか覚えていない。

そんな中でも辛うじて覚えているのが、北京での万里の長城が、高所恐怖症の俺にとっては恐ろしすぎる観光地で、上の方まで駆け上がっていく友達を横目に手すりに捕まりながらその場で立ちすくんでいたこと、上海で見た(多分上海で見たはず)中国雑技団が、「世界まる見え」で見たことある雑技団のやつで、これがほんものかぁと感激したこと、そしてもう一つが、西安兵馬俑で並ぶ兵士の像達をみて、何とも不思議な感覚と共にその画像だけが鮮明に残り、その後に外の広場で友達とダラダラしていたこと、以上の三つだ。中でも西安での思い出が、なぜか分からないが鮮明に残っており、それが理由でこの旅で中国でどこに行きたいかと思うと西安兵馬俑は外せないなと思っていたのだ。

 

さていざ兵馬俑に着く。150元という高額の観光料を取られるのは中国の観光地ではおなじみ。

兵馬俑には三つの建物があり、一つは兵士達の像の説明。像の成分や、構成など。二つ目は像を掘り起こした跡の場所。三つ目は掘り起こした跡のところに像が残っている場所。つまり有名な像は三つ目の建物でしか見れない。最初の二つの建物は、まぁこんなものかと、特に説明も見ずに流していき、いよいよ三つ目の建物へ。入ると人が群がっている。兵馬俑だーと思いながら近づくときの胸の高鳴りは自分でも驚くほどすごいものだった。この旅で一番の興奮であることは間違いなく、とても若い感情。初めてバックパッカーで行ったカンボジアにてアンコールワットを見に行ったときの気持ちに似ている。そんな胸の高鳴りを抱きながら見た兵馬俑。しかしそこで高校生の頃の記憶を思い出す、ということは無かった。あくまで本やネットで見た写真を確認すること、つまりは殆どの観光地で感じる、行う「確認」の作業。それをしたにすぎなかった。その後周りの広場を歩いたけれども、あの時の感覚を思い出すことは出来なかった。

これは、思い出すには記憶があまりに不鮮明すぎるからなのかもしれない。しかし、やはり高校生の頃の感情をこの歳で再現するというのは厳しいのだろう。むしろ記憶が鮮明であったら、高校生の頃の感情を塗り替え、台無しにしてしまうかもしれない。あの頃友達と行った兵馬俑は記憶の中に残り、それは大事にしなければいけないものでもう一度思い出そうとしても記憶以上のものを感じ取ることは出来ないんだと思った。

 

自分はまだ若々しい気持ちで生きている、と思っていたけど、十分年を取ったんだなと再認識させられる兵馬俑での経験だった。